岐阜産の升をNYが注目 ポール・スミスが販売し、人気に
- 2013年2月 -
朝日新聞デジタルによると、英国発祥の高級ファッションブランド「ポール・スミス」 ニューヨーク店で、岐阜県大垣市の地場産品「升」が驚くべき注目を浴びています。
きっかけは、大垣市の升メーカー「大橋量器」が、 「ニューヨーク国際ギフトフェア」に昨年出展した際、赤や黄、緑などカラフルでシャープなデザインを施した8勺(しゃく、0・8合)升40個と、直方体のひょろ長いとっくりと杯のセット、8個を「ポール・スミス」より受注したことです。
日本では、「升」は、ただの計量器として、または特別な日の振る舞い酒の杯としてなどの用途しか考えられていませんが、海外では、デコレーションオブジェや小物入れなどの目的で「おしゃれ雑貨」として人気が出、メーカーも思わぬ需要に驚いているようです。
なぜ、「升」という完全な『和』のものが、海外で人気となったのでしょうか?
基本、海外で日本の商品を売り出したいと考えた場合、自社の商品が次のコアな条件に当てはまるかどうかはとても重要です:
- 現地の消費者のニーズに答えているか
- 現地のライフスタイルに無理なく適応しているか
- 何らかのオリジナリティを持っているか(機能、デザイン、素材など)
- 他では手に入らない、などの付加価値があるか
今回の大橋量器の「升」は、昔ながらの技術を活用し、また、東濃地方や長野県木曽地方などの特産品であるヒノキを材料にしたことで、海外では味わえない 付加価値や高品質性をアピールすることができました。また、「升」の本来の用途を知らない現地の人が、自分のライフスタイルの沿線上で、 小物入れとして利用できると無理なく理解したこと、そして、ポール・スミスが認めるほどの現代的デザインセンスや完成度を持ち合わせていたこと、このように、上記であげたコア条件を見事クリアしたことが、今回の成功を導いたといえます。
皆さん、この件を参考に、海外市場で挑戦してみてはいかがでしょうか。
※ SPRINGの海外向け商品開発についてもご覧ください。